割愛

暇人オタクの日記

煉獄杏寿郎の夢について

 ※多大な妄想と捏造が含まれています。あくまで個人的な意見なので注意してください!

 

 

初めての投稿がこんな重いのでいいのか。

無限列車編の魘夢の夢の内容でふと疑問に思ったんです。

 

「炭治郎達の夢はすごく幸せな夢なのに、煉獄さんだけ全然幸せな夢じゃないよな?」

 

彼の夢は柱になったことを父親に報告するシーンから。

ですが、父親の槇寿郎は「柱になったから何だ。くだらん…どうでもいい」と一蹴した。そしてそれを心配する千寿郎に「こんなことで俺の情熱は無くならない!心の炎は消えることはない!」と強く言い切り、「どんな道を歩んでもお前は立派な人間になる!」と落胆するどころか千寿郎のことを気遣い、励ます。

 

うん、やっぱり全然幸せじゃない!!!

彼の夢はすごく現実味を帯びてましたよね。

 

魘夢が間違えたなんてことはまずあり得ないよな、魘夢も気づくはずだし何より「幸せな夢を見始めたな」って言ってるし。と言うことはあの夢が煉獄杏寿郎にとって幸せな夢だったと言うことになる。

 

馬鹿な私は当初、瑠火さんも生きてて槇寿郎も父親として優しくて千寿郎くんと4人家族のごくありふれた何気ない日常…それが幸せであり、彼もそう望んでいるとそう思ってました。でもそうじゃない。彼は瑠火さんの死も槇寿郎の堕落も全て受け入れてるんだと。

 

9巻で猗窩座と対峙した時「老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ」と明言してます。彼にとって『老いること』も『死ぬこと』も怖くないのでしょうね。

だから魘夢の見せていた夢でも瑠火さんは亡くなっていたし、槇寿郎も鬼殺隊を辞めてただ寝転んでいただけなのでしょう。

(実際はお酒を飲みながら、もっと罵詈雑言を浴びせられていたのかもしれませんが)

 

それでも彼の20年生きてきた中で一番幸せだった瞬間があそこだったのかという疑問が残ります。

浅い私は、「鬼殺隊で柱になった瞬間。だからお館様に柱になったことを告げられるシーンじゃないの?」と思いました。

彼にとって鬼殺隊で柱になったことは嬉しいとは思うんですが、それは二の次なんだと思います。柱になったのはあくまで父親の代理。鬼殺隊として活躍していればいつか父親に認めてもらえ、かつての父親に戻ってくれると期待していたのでしょう。

 

さらに彼は父親の胸中も全て理解していたんじゃないか。

槇寿郎の立場を考えると「くだらん…どうでもいい」という傍から見れば見放した、ひどい言い様ですが、あの言葉の裏は槇寿郎の分かりづらい親心が隠れているのではないか。

 

一旦脱線して槇寿郎について考えます。

槇寿郎はとても繊細で根は優しい人なんじゃないかと思います。

実際「ああではなかった」と言っているし。

最愛の人が亡くなるまでは、順風満帆な人生だったんじゃないかと。

煉獄家という名家に生まれ、鬼殺隊として柱にまで上り詰め煉獄家としての使命を果たし、瑠火さんというかけがえのない人と出会い結婚し、2人の男の子に恵まれた。

 

でも瑠火さんが亡くなったことで鬼殺隊の存在に疑問を持ち始めます。

おそらく任務に出ていて瑠火さんの死に目には会えなかったのでしょう。人を守り必死に剣を振るっていたけど、一番身近にいたはずの最愛の妻を救うことも看取ることも出来なかった自分にひどく失望します。(おそらく酒浸りはここからスタート)

 

そしてたまたま歴代の煉獄家の手記を発見し、炎の呼吸は日の呼吸の派生でしかないという事実を知り、自分の鬼殺隊・柱としての存在意義を完全に見失います。

(鬼舞辻無惨は日の呼吸でしか倒せないと書かれていたんでしょうか)

そして鬼殺隊を辞め、引きこもる生活が始まります。

鬼殺隊を辞めたことで2人の息子に後ろめたさが当然あるはずです。それを酒の力で誤魔化して大声を張り上げ、考えないようにしていたのではないか。

ですが、もう二度と家族を失いたくないという思いはあったはずです。

 

だけどそんな父の想いと裏腹に杏寿郎は鬼殺隊になり、柱になってしまった。

鬼殺隊にいる限りいつ死ぬかわからない。だからどうしても辞めさせたくてと暴言や手をあげて心を折ろうとしたのでしょう。(千寿郎くんに手をあげていたので、暴力は全くなかったとは思いません。暴言の方が圧倒的に多いとは思いますが)

 

そんな父親の苦悩を杏寿郎は理解していた。夢で柱になったことを「くだらん」と一蹴されても「今すぐ辞めろ」とは言われなかった。否定の様な台詞だがそれでもその言葉の裏にわずかに愛情表現が隠れていると認識して幸せと捉えていたのではないか。(かなり無理やりで歪んでいますが)

杏寿郎の夢の最後のセリフに「頑張って生きて行こう!寂しくとも!」とあるので、千寿郎くんがいる手前自分の本音は言えないけれど、親の愛情が欲しかったのではないかなと。

柱になりさらに活躍することで、これから父親が改心してくれるのではないかという淡い期待があったからこそのあのシーンなのかなぁ。

 

 

あの夢は彼の中で望んだ最良の形=幸せなのかもしれないです。

でも理想ではないし理想は望んでいない。(すんごい複雑)

本当に何もかも達観しているというか、煉獄さんには一生追いつくことはできないなと思いました。